この前、読んだ本。
薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木
江國 香織
集英社 2003-06
Amazonで詳しく見る by G-Tools江国さんの本は個人的に当たり外れがあるけど、
これは良かった。
女の人たちが、庭を彩る木々のようにそれぞれに凛と立っているようで。
それぞれの咲き方も、色づきかたも美しかった。
もちろんただ甘いだけじゃない、
それぞれに悩みを抱え、憂い、迷う。
でもその様もなんだか匂いたつようだった。
いろんな女がいるなぁ、いろんな視点があるな、と思い
自分の中に、そのどれしもに共感できる女がいて苦笑した。
一番この中では陶子の生き方が飄々としていたようだ。
悩みも、自分を傷つけてしまうものになるまえにサラッと流し、
深く考えずに、甘く甘く生きてゆく。
そして公園で出会った男に引かれ「あらら?」という間に不倫へ。
でもなんだか憎めないくらい、可愛い女なのだ。
ふわふわしていて。
矢沢愛のNANAにでてくる、奈々に似ているなぁと思った。
恋にただ一生懸命で、男に尽くしてゆくことが喜びのような女。
一方でれい子はできる大人の女だけど、浮気性の夫に悩まされる。
そんなれい子を軽蔑しながら、その夫の土屋にのめりこむ桜子。
土屋の愛人だけど、凛と、愛する男と不倫を楽しみ、
「美人」「モデル」という描写がなくても美しいだろうなと思わせる衿。
時には疲れ果てた顔、うんざりした顔をしながら、
女たちは凛と生きていく。
かっこいいな、こういうふうに
匂いたつように、しなやかに自分らしく生きていたいと思う。